一覧表のような情報は、ついつい一枚のスライドに詰め込みがちです。一目でわかる情報量を意識し、解説の流れに沿ったスライドをデザインしましょう。
BEFORE
がん医療に関する大学の取り組みを一覧にまとめています。色づかいやレイアウトなどに様々な工夫が見られますが、一枚の中の情報量が多く、ひとつひとつの内容が理解しづらくなっています。
直したい!
全体に文字数が多く、個々の内容が把握しづらい
「在宅医療」→「緩和ケア関連」→「オピオイド使用の~」のように、視線が下から上に流れる順番になっている
AFTER
直した!
情報を分割し、ひとつひとつの情報が目に入りやすいようにした
視線が左→右、上→下に流れるレイアウトにした
解説
1. 一目でわかる情報量
同じ種類の情報は、一枚のスライドに詰め込まれがちです。情報を一枚の中におさめるメリットは、既に説明した内容を、観客が好きなタイミングで見直すことができることです。しかし、本当に見直せることはいいことなのでしょうか?
今回のスライドのように情報量が多いと、細かい文字の領域は目に留まりづらく、理解もしにくくなる傾向があります。
観る側は理解しようと一生懸命解説に合わせてスライドの文字を追いますが、いったん理解が追いつけなくなって視線を戻したとしても、プレゼンターの解説は容赦なく進みます。解説が先に進んだ部分は今度は視線が追いつかず、情報を見落としてしまい、結局なんだかよくわからないままプレゼンはどんどん先に進んでしまうのです。
つまり、情報量が多く、視線があちこちにいくスライドは、理解の妨げになりやすいということです。
少ない情報のスライドをしっかりと説明し、次々と流れるようにする方が、見る→聴く→理解するというプロセスがスムーズになり、気持ちよくわかるデザインとなります。
ただ今回のスライドでは、分割してもまだ情報が多い印象でした。そこで動画で示したように、小項目も順番にアニメーションすることで順番に注意が向けられるように工夫しています。
2.読む方向を意識する
当たり前ですが、この文章を下から上、右から左に読もうとする人はいません。横書きのテキストは上から下、左から右に読むルールとなっています。
BEFOREのスライドでは「在宅医療」→「緩和ケア関連」のように情報が下から上に向くレイアウトになっており、直感的に把握しづらい原因となっています。テキストの方向だけでなく、レイアウトにおいても基本的に上から下、左から右に視線が流れるようにしましょう。
視線の話をよくしていますが、スライドデザインは突き詰めると視覚情報による理解の促進です。観る人がなにをどのように観ているかを意識し、コントロールすることができれば、伝わりやすさは格段に上がります。
※スライドはすべてmicrosoft Powerpoint office 365 Window10 を使用しています
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