2024年11月から12月にかけて医療者を対象に実施した「医療系 学会ポスターデザインに関するアンケート」を集計しました。お忙しい中、多くの方にご回答をいただきさまざまな発見を得ることができたので共有いたします。
アンケート概要
方法:オンラインアンケート。Google Formsおよび簡易アンケートサイトFreesyを通じて取得
対象:臨床業務に携わっている方、医療に関連した研究者および学生の方
募集期間:2024年11月4日~2024年12月22日
有効回答数:77名(5年以内にポスター作成の経験がある方のみを集計)
Q1. 現在の主な職業をお選びください
Q2. 現在の年齢をお選びください
Q3. 現在の主な職業の勤務年数をお答えください
Q4. 過去5年以内のポスター発表の経験についてお聞きします。どのような機会で発表をしたことがありますか?
(複数回答可)
ここからは複数回答可です。国内の大きい学会でポスター発表の経験がある方が多い結果でした。一方で病院や大学の勉強会など、組織内のイベントでもポスターを作成することがあり、興味深いところです。
Q5. どのような形式でポスター発表をしたことがありますか?
(複数回答可)
プレゼンテーションありの紙ポスターが主流。デジタルポスターもそれなりに経験した人がおり、無視することはできません。
Q6. どのようなテーマでポスター発表をしたことがありますか?
(複数回答可)
臨床研究、症例報告でポスター作成されている方がほとんど。回答者の年齢層は中堅クラスが多い印象でしたが、ポスターの位置づけが見えてきます。医療者を対象にすると基礎研究をされている人は少ないですね。
Q7. おおよそどのくらいの頻度でポスター発表をしますか?
(複数回答可)
作成経験のある方は、だいたい1~3年に1回という印象。中には年に5回以上という猛者も。同じポスターを使いまわしている?
Q8. ポスター発表をする目的はなんでしょうか?
(複数回答可)
「実績作り」「社会に伝える」「キャリアアップ」といった抽象的な目的が多い印象でした。一方で具体の目標としては「学会に参加するため」が多く、演者として学会に参加するためにポスターを作る方は多いようです。わかります。
「上司からの勧め」や「目的は思いつかない」は少なく、目的意識を持ってポスターを作成されている傾向がうかがえました。
Q9. 自分がポスターを作る際、デザインについてどのようなことに困るでしょうか?
(複数回答可)
今回のメインとなる質問です。だいたいみなさんまんべんなく悩まれている印象。
特に多くの情報をどのように配置するか、膨大なテキストをどう処理するかの情報設計の段階に課題は多いようでした。
印刷について悩まれている方はほとんどおらず、この辺りは組織で方法がある程度固定されていそうです。
Q10. 口頭のプレゼンテーションをする際、どのようなことに困るでしょうか?
(複数回答可)
こちらはQ9に比べて悩むことが少ない印象(選択肢の回答数が違います)。
スライドのプレゼンテーションよりも対話の割合が多く、タイムマネジメントも難しい傾向がありそうです。
英語は私自身も大きな課題です…。
Q11. ポスター発表をした後、どのようなことで評価されると嬉しいでしょうか?
(複数回答可)
こちらはポスター発表のポジティブな体験について。ポスターの魅力はコミュニケーションが生まれやすいことと考えていますが、質問や対話そのものに嬉しいと感じるのはみなさんも同様のようで安心しました。
Q12. 他の医療者や研究者のポスターを見た際、どのようなポスターを良いポスターと感じるでしょうか?
(複数回答可)
今度は他人のどんなポスターに価値を感じるか?これも重要な質問です。
傾向として「読みやすさ」が求められていることが興味深く、縦長で文字だらけのポスターが立ち並ぶ会場とのギャップを強く感じます。
色の派手さや独創性はほとんど求められず、内容の良さと読みやすさが価値として上位にあるのはとても納得です。
まとめ
全体的な印象としては、私自身が当初抱いていたイメージとは大きな差がないと感じ安心しました。回答いただいた方が私と同じ課題感を抱えているバイアスはありそうですが…。
ポスターは情報伝達とコミュニケーションの手段であり、学会に参加して自分の関心を世の中に伝えるもののようです。
そしてデザインに関しては情報の整理にみなさん頭を悩ませており、まさにそこはポスター作成で悩むところかなと思います。これから良い方法を考えていきましょう!
最後に改めて、アンケートにご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
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